被災地の今・ボランティア考
観測史上最大のマグニチュード9.0の東日本大地震は大津波による1万8千人余の犠牲者を出す一方で福島第1原発を破壊して放射能を拡散させ15万人余に避難生活を余儀なくしました。震災から1年半、今もなお、避難所生活している人が34万人もいます。
政府復興庁の調査によると、被災者が避難所等で体調を崩して亡くなった「震災関連死」は1263人、その約9割は70歳以上の高齢者で死亡原因は「避難所生活の肉体・精神的疲労」が638人と半数を超え、そのうち福島県内が433人を占め、原発事故が広範囲・長期間に亘り多数の住民を苦しめている実態がわかりました。
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このような状況下で避難生活をしている仮設住宅の住環境を少しでも改善し、避難所生活をしている人たちを励まし交流を図ることを目的として「棚付け作業」に取り組むボランティア活動に参加しました。被災地で活動しながら実感したのは、仮設住宅での暮らしにはそれまで築き住み慣れ親しんできた人も自然も文化的環境もなく、将来に不安を抱きながら不自由な「仮住まい」を余儀なくされていることでした。
地震による津波に襲われた岩手県陸前高田市では、かつての市の中心街にその面影はなく人工的に積上げられた瓦礫の山が津波による凄惨を物語っていました。被災した住民の3分の1にあたる人が市の高台に分散する仮設住宅で避難生活をしています。津波で家族が命を失ったことや当時の状況を淡々と語る姿に過去の大きな犠牲を乗越え将来に向かって生きるほかないという心境が伝わってきました。被災者を励まし続けてきた「奇跡の一本松」も枯死し、モニュメントとして「再生」されるそうですが、被災地の復興への展望は示されていない現状です。
福島県飯館村は原発事故による計画的避難区域に指定され、目に見えない放射能の恐怖と不安の中で、全住民のうち6千人を超える村民が県内外で避難生活をしています。飯館村は山林が7割を占め、除染には限界があるといわれています。その飯館村にとどまっている、ある酪農家を訪問し話を聞く機会もありました。飯館村にはこの季節を彩る黄金色の稲穂の田園風景はどこにも見られず、雑草だけが生い茂っていました。飯館村の人たちが避難生活している福島松川市と相馬市大野台の仮設住宅で棚付けを行いました。平成27年から帰村計画が実施されるそうですが、帰村すべきかどうか、「孫」には故郷の水は飲ませられない…と揺れ動く中で帰村を断念する人が増えているそうです。陸前高田市の被災者とは異なった、怒りと遣る瀬無い悔しい気持ちがうかがえました。ここでも避難生活をしている人達に今後の展望は見えていません。
震災後、7回のボランティア活動に参加しましたが、いまだに被災地ではボランティアによる支援活動を必要としています。「棚付け」作業は、「板橋災害支援ネットワーク」の活動として、(平日は仕事をしているため)ひと月に一回、マイカー等を利用して金曜夜出発し日曜夜半帰京というスケジュールで四回参加しました。老若男女のボランティア仲間との出会いと共同作業、そして被災者の方々との交流等かけがえのない体験でした。
(2012・10・1:法人事務局徳田記)
陸前高田市活動 (スライドショウ)
気仙沼市唐桑活動(スライドショウ)
福島県飯館村仮設住宅活動 (宿泊地:相馬市松川浦港)
(スライドショウ)
東松島市活動 (スライドショウ)
東京電力福島第一原子力発電所の北西に位置する福島県相馬郡飯舘村の人たちは、震災から2年以上が過ぎた現在も、福島市周辺市町村での避難生活を余儀なくされています。
昨年夏に引き続き、仮設住宅等の住環境整備を目的に、2013年7月20日(土)~21日(日)に福島県福島市周辺の飯舘村民が居住する仮設住宅や集会所で①仮設住宅の棚つくり、②集会所の看板設置、③仮設住宅や借り上げ住宅の駐車場プレートの補強・設置等の現地でボランティア活動しました。
※飯館村では除染工事が行われています。写真は畑の土を5センチほど削り取り、その上に汚染されていない土を運び入れる工事が行われている風景です。削り取った土は青いシートに包まれ放置されている状態です。捨てる場所がないからということでした。7割が山に囲まれた飯館村の除染は何時になったら終わるのか、その見通しは不明のようです。
被災地支援プロジェクト
いたばし棚つくり隊
ふりかえりの会
7 月20、 21 日は飯舘村の方たちの住む仮設住宅の棚作り、 看板作
り、駐車場のプレートの補強にご参加いただき、本当にありがとうござい
ました!
9 月14 日(土)に棚つくり隊の振り返りの会を行いたいと思います。
今回の活動についてや、飯舘村のこと、これからのことについて
みんなで話せたらと思います。みなさまのお越しをお待ちしております!
◇と き 9 月14 日(土)18:00~
◇ところ デイサービスおむすび
(最寄り駅 都営三田線板橋区役所前駅徒歩4 分)
◇会費 500 円(夕ごはん・飲み物代です)
Lt-ion14.4V ITABASHI
TANATSUKURI被災地支援プロジェクトいたばし